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『紅楼夢』グッズコレクション25

  • 執筆者の写真: 順子 栗原
    順子 栗原
  • 3月10日
  • 読了時間: 3分

「紅楼菜」はどのようなお皿に盛られていたのでしょうか。『紅楼夢』第40回、第41回、劉婆さんが再び賈家を訪れ、大観園で宴会が開かれた時に登場した道具類を集めてみました。


清 乾隆 銅胎畫琺瑯五福捧壽攢盒

口径三四・五公分 高一一・四公分 

故琺三七〇

「攢盒」は様々な菓子や果物、点心を小皿に盛り付け、蓋をした食器。写真ではわかりにくいですが、二段式で、上の段は大きな一皿で下の段が分解式になっています。日本の重箱に似ているでしょうか。料理を送り届けるのに便利ですし、前もって宴席に置いても、ほこりや虫をよけられます。「五福捧壽」は五匹の蝙蝠が「壽」字を囲むおめでたい図柄、宴会用の食器です。中の小皿も同じ図案です。中央の丸皿を八つの皿が囲むのは八仙にちなむもの。主人用に一つずつ卓上へ、侍女たち数人に下げ渡すなど、使い勝手のある食器ですね。


清 十八至十九世紀銀鑲玉木柄匙、叉、勺、牙箸

匙長二二公分 叉長一八・二公分 勺長一九・一公分 箸長二五・五公分 故雑一三四〇、一三四一、一三四二

こちらも劉婆さんが列席した宴会にちなむ品。箸は先が銀、中間は象牙と玉、持つ部分は木製、頭に玉が使われた凝ったつくりです。「鳳姐手裡拿著西洋布手巾,裹著一把烏木三鑲銀箸,按席擺下」劉婆さんにははじめ銀の箸が準備されますが、王熙鳳と鴛鴦の計略で「一雙老年四楞象牙鑲金的筷子」金の箸に替えられ、高価な鶉の玉子を転がすことになります。銀の箸に戻すよう賈母が言うと、「去了金的,又是銀的,到底不及俺們那個伏手。」と劉ばあさんは懲りた様子。王熙鳳が銀箸は毒見になるのだと教えると「這個菜裡有毒,我們那些都成了砒霜了。那怕毒死了,也要吃盡了。」と言って賈母を楽しませます。銀は砒素で黒く変色すると言います。「砒霜」と言い当てている劉婆さんは侮れません。

清 康熙 青花八卦紋套杯「大明成化年製」銘 口径六・六-八・二公分 高二・三-四・六公分

 故瓷三五二一-三五二四(左上)

清 雍正 銅胎畫琺瑯黄地花卉紋套杯 口径四・六-七・一公分 高三-五・三公分

 故琺二一五-二二〇(右下)

「套杯」は杯のセットでも、小さい杯が大きい杯の中へ、その杯がまた別の杯の中へと、マトリョーシカのように収まるもの。劉婆さんが使ったのは「黃楊根子整刓的十個大套杯」と木製のものですが、賈家には勿論、錦琺琅杯」もあります。劉婆さんは自分で酔って手が震えるから木製の杯にしてくれと願い出たので、木製の杯になったのですが、それがまさか十個セットとは。「又驚又喜」となりました。鴛鴦に折角探し出してきたのだから全部使って飲めと責められますが、やはり賈母が助け船、大杯一杯で許してもらいます。この他、「十個竹根套杯」も賈家にはあるようです。

 
 
 

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