top of page
検索

『紅楼夢』グッズコレクション22

  • 執筆者の写真: 順子 栗原
    順子 栗原
  • 3月9日
  • 読了時間: 2分

「看得見的紅樓夢」レポート第2弾です。追加情報を加えながら展示品をご紹介します。

展示品は「大雅可観」「異物奇貨」「一番夢幻」の三つのパートで構成されています。「大雅可観」は江寧織造を代々つとめた名門・曹家にまつわる品々、「異物奇貨」本文に登場する当時流行した舶来品、「一番夢幻」は登場人物や情節にちなんだ品々が展示されています。今回は「一番夢幻」パートから、王熙鳳にちなんだ展示品をご紹介します。

先ずは壁に映し出された画像で勉強、紅迷にとっては復習となるのでしょうが、人物と展示品の関連を確認します。『紅楼夢図詠』の挿画が使用されています。第6回、劉婆さんが板児を連れて初めて賈家を訪れ、家事を取り仕切る王熙鳳に挨拶に来た場面。

那鳳姐家常帶著紫貂昭君套,圍著那攢珠勒子,穿著桃紅灑花襖,石青刻絲灰鼠披風,大紅洋縐銀鼠皮裙,粉光脂豔,端端正正坐在那裡,手內拿著小銅火箸兒撥手爐內的灰。


清 掐絲琺瑯五福獻壽手爐

 口径一三・三公分 故琺七二九


琺瑯は景泰藍、中国七宝とも呼ばれる焼き物。元の時代に西方から中国へ伝わった技法とされます。金属の土台にエナメルを流し込んで模様を付けます。この手あぶりは「寿」を五匹の蝙蝠(コウモリ)が囲むめでたい図柄です。手あぶりは当時の女性が用いた防寒具の一つですが、勿論高貴な女性に限られます。王熙鳳の他、史湘雲や李紈も使用しています。侍女の中でも筆頭格の襲人や晴雯も。そして賈宝玉が家塾に通う際に襲人が持たせています。「図詠」の手あぶりは丸い形ですが「紅楼夢写真」(下)の方は方形で、展示品に近いようです。


手あぶりでもう一つ思い出すのは、第8回の黛玉。薛夫人・宝釵のところにいた黛玉に黛玉付きの雪雁が手あぶりを送り届けにきた場面。黛玉が言うには「おばさまのところだったからよかったものの、別のところだったら、まさかよそには手あぶりさえないと思っているのかと、侍女が気を使いすぎるとは言わず、私が普段から軽はずみなことばかりしている言うのですわ。」と。ここは色々と焼餅をやいている黛玉の嫌味なのですが、温かい手あぶり、宝釵の冷香丸、宝玉が飲もうとした冷酒を宝釵の勧めで温めたこと、曹雪芹ならでは言葉遊びがあります。

 
 
 

Comments


紅楼夢研究会

©2023 紅楼夢研究会。Wix.com で作成されました。

bottom of page