曹雪芹の祖父・曹寅は蘇州や江寧の織造署という宮廷で使用する織物の生産管理をする役所の長官を長年に渡って勤めていました。曹雪芹は裕福な幼少期に家庭内で自然と服飾に関する知識を身につけたとも言われています。『紅楼夢』には女性たちの服装や装飾品が細かく表現されていますが、一般的に中国服として想像されるチャイナドレスなどとはかなり違うようです。『後紅楼夢』翻訳でも服飾・装飾品の訳語にはいつも悩まされます。今回は中山先生にご指導いただいていた時期から研究会で保存してきた装飾品の一部をご紹介します。
「補子」という清朝役人の官服の胸と背に縫い付けられた刺繍。前開きの服なので右は半分になっています。形や刺繍により文官武官、階級の別があり、文官は鳥類、武官は獣類、こちらは龍なので?
こちらは四角い補子。中央の鳥の刺繍は
立体的な構造で、取り外せます。(上)
こちらの補子は右上の花の中央部にサンゴが使われています。右は半分を裏面にしました。
表のサンゴビーズもすごいですが、裏側も裏とは思えないほど美しいです。
色々とめでたい図柄ということで・・・左2枚は織物、右2枚は刺繍です。
小物色々。左は筒状で扇いれではないかと思われます。中央は根付のようなものでしょうか。右は「金榜題名」ということは科挙合格証を入れたのでしょうか。
左は不明です。頭や首に巻くには短いです。右は立体の刺繍、何かに付いていたのかも。
こちらも何なのか不明です。
対になっているようです。
左上は鴛鴦、右上は老鼠、
左下は獅子とコウモリ、右下
は兎でしょうか。
今回は知識不足で解説ができて
おらず申し訳ございません。
補子はともかく、小物なんかは
晴雯や鶯児も刺繍して作っていた
のかなぁ、なんて想像しています。