曹雪芹は北京で『紅楼夢』を執筆していた時期、かなり苦しい生活を送っていたようです。絵や字を売る他、凧を自ら作って売って家計の足しにしていたとも。曹雪芹は自分の凧制作の技術を「南鷂北鳶考工誌」という書物にまとめ、貧しい人々に伝授したと言われています。現在でも曹雪芹の凧は北京孔氏風箏に受け継がれています。『紅楼夢』第70回に凧あげの場面がありますね。中国では凧を揚げてわざと糸を切り、厄飛ばしをする習慣があります。凧の図柄や行先が宝玉と大観園の女性たちの運命を表していました。
扎燕風箏
曹雪芹の凧はツバメがモチーフになっています。
縦横10㎝ほどの豆凧 こちらは組み立て式立体凧 凧柄のメモ帳
「曹雪芹扎燕風箏図譜」にはまだまだ美しい図柄が紹介されていますので、少しずつアップしたいと思います。「南鷂北鳶考工誌」については「『廃芸斎集稿』考」(栗原順子著)もご参照ください。こちらの『日中文学文化研究』(創刊号)にございます。『日中文学文化研究』既刊号は東方書店でも販売しております。
Comments