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『紅楼夢』グッズコレクション21

  • 執筆者の写真: 順子 栗原
    順子 栗原
  • 3月5日
  • 読了時間: 2分

更新日:3月8日

台北故宮博物院で開催中の特別展「看得見的紅樓夢」に行ってきました。

『紅楼夢』は上梓以来、紅楼戯に映画、テレビドラマと既に様々な形式で視覚化されています。これらに登場する装飾品や工芸品は後世の想像による創作や複製品、精巧な作りのものもありますが、小道具であり、いわば偽物です。今回の特別展では本物の品、つまり故宮博物院が所蔵する宝物の中から『紅楼夢』に登場した品を探して展示しています。逆アプローチで『紅楼夢』に登場する工芸品や美術品、装飾品を楽しもうというわけです。

会場内は落ち着いた照明、壁は孫温「紅楼夢写真」が一面に。展示品は曹家にまつわる文献や貴重な版本から始まり、前述の美術工芸品が並びます。『紅楼夢』愛読者であれば、どの場面、どの人物にちなむ品とわかるものもありますが、一見すると単なる美しい品々が並んでいるだけになってしまうからでしょうか、会場内には『紅楼夢図詠』を用いた解説動画があります。

壁をスクリーンにして、人物と展示品の繋がりを物語と共に解説してくれます。本のページをめくるように動くのですが、無声で、自分で解説を読む形式です。警幻仙姑、賈宝玉と金陵十二釵のページがあります。左は探春の部屋にある仏手柑の木彫りです。第40回で劉婆さんの孫・板児が食べようとして探春に「喫不得的」と言われます。この仏手柑は『紅楼夢』でも置物として登場するのです。第41回では巧姐の柚子と交換しており、二人が将来結婚する暗示ともされます。全ての展示品の説明があるわけではありませんが、展示前にこちらを見るのがおすすめです。展示品は追々紹介させていただくとして、今回は展示場内の様子を中心に。

壁紙は全て『紅楼夢写真』です。右の赤い壁の奥が解説スクリーンになっています。

展示数は100点、他に賈家家系図や解説ボードがあります。特殊な展示内容だからか、故宮博物館の中にしては人が少なく、ゆっくり鑑賞できました。関連商品の販売を期待しましたが、図録のみだったのは少し寂しいような。2026年5月17日まで開催しています。機会があればまた訪れたいです。


 
 
 

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